●059 美はしの四季 うるわしのしき 〇やまべものべもかすみわたり

 表題:美はしの四季
 読み:うるわしのしき

 収録:(A)古今名曲集 山本正夫編 音樂社 1910(M.43).2.21=初 ◎Copy=(K22) ※春夏秋冬すべて1番のみ from "Happy Voices" by permission ※歌詞の表題は「美はしき四季」
    (B)球溪歌集「四季」 犬童信蔵著 音樂教育書出版協會 1936(S.11).11 ◎[A3-1],Copy=[Ka1] ※英語歌詞付き
    (C)音樂新樂譜第2集 樂友社 1907(M.40) ◎Copy=(Z3) ※春夏秋冬すべて1番のみ from "Happy Voices" by permission ※おそらく(合本時に)歌詞ページ消失
    (D)最新唱歌教科書 伴奏附 若狭萬次郎編 交響社 1928(S.3).4.13=初 ◎Copy=(K69)未 ※春夏冬は1、秋は2番のみ!
    (E)音樂第10巻2号(M.39).6 樂友社 1906(M.39) ◎Copy=(Z3) ※春夏冬は1、秋は2番のみ!
    (F)最新唱歌教科書(伴奏附) 若狭萬次郎編 日本樂器製造大阪支社 1927(S.2).4.1=初 ◎[A3-15],Copy=(K86) ※春夏冬は1、秋は2番のみ!

 記譜:(A)(B)(C)(E)(F)四部合唱(伴奏なし) 変ホ長調 6/8
    (D)四部合唱(伴奏なし) ニ長調 6/8

 インチピット:ド|ドドドラ|ソミソ|ソミレド|レ

 曲:グレイリー,アルフレッド・アーサー(Graley, Alfred Arthur)(1813-1905)[アメリカ]
 原曲:The Beautiful World
 詞:犬童球渓 ※1906(M.39)作詞

 ※樂歌集あり(1) ただし春夏秋冬すべて1番のみ
 ※「四季の眺」(167)と同曲 歌詞も半分ほど同一


[詞] ※(B)「四季」より

[春]
1.山邊も野邊もかすみ渡り 春風輕(かろ)く袖にかをる
  仰ぐ空には雲雀うたひ 笑める花には胡蝶踊る
  美(うる)はし美はし春のながめ

2.ゆかりの色の菫摘みて 小草(をぐさ)に交じる土筆(つくし)折りて
  里の小川の岸に立てば 垂るる青柳(あをやぎ)我を招く
  美はし美はし春のながめ

[夏]
1.青葉を渡る風のひびき 門邊を廻る水の調べ
  自然(おのづから)なる樂を奏で ~の秘事(ひめごと)我にかたる
  美はし美はし夏のながめ

2.過ぎたる夕立(あめ)は名殘とめず 後(あと)より晴るる山の彼方
  天(あめ)の御~か降(お)らせ給ふ 妙に彩る橋をわたす
  美はし美はし夏のながめ

[秋]
1.さらさら注ぐ夜半(よは)の時雨 立田の姫や筆に受けし
  けさは妙なるあやや錦 峯に麓に染めて晒(さら)す
  美はし美はし秋のながめ

2.草葉の末(すゑ)に宿る露を 眞玉と見する月の光り
  人の心にかゝる雲も 晴れよとばかり汝(なれ)は照るか
  美はし美はし秋のながめ

[冬]
1.一夜の程(ほど)に山も丘も 時じく花に埋(うも)れはてて
  見ゆる限は一つ色の ~の御技(みわざ)の樂土(らくど)なれや
  美はし美はし冬のながめ

2.夕(ゆふべ)を告ぐる鐘の音(おと)も 塒(ねぐら)に急ぐ鳥のこゑも
  あたり靜に今は暮れて さそふ凩(こがらし)木々にむせぶ
  美はし美はし冬のながめ


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